ビデオカード編 1998/07版
★は10段階★★★★★★★★★★で表記しています。
ATI XPERT@PLAY PCI 4MB ATI
3D RAGE PRO
ATI Mach64 の流れを汲む、一連のシリーズ。 TV出力可能。 ATIはMatroxと同様、
ビデオチップメーカーがビデオカードを販売しているというメーカーである。
最近のチップらしく、DirectDrawの速度が速く、もちろんDirect3Dにも対応している。
価格は普通だが、全体的に割と高性能である。 画質もどちらかと言えば良い方だ。
少し前にATIからTurboDriverなるものが公開され、その能力をより一層発揮できるように
なった。 どのような場面でも高速な動作が期待でき、動画再生も得意である。
突出した部分はないが、バランスが非常に良い。
実は専用のAPIを持っているのだが、対応アプリケーションがほとんど無いので、
その存在を知る人は非常に少ない。
RAMDACは内蔵で、PCI版の他に、AGPx2モードに対応したAGP版もある。
PCI/AGP、4/8MBのモデルがある。
おすすめ度 | ★★★★★★★ |
価格 | ★★★★★ |
画質 | ★★★★★★★ |
2D | ★★★★★★ |
3D | ★★★★★★★ |
A-Trend HELIOS 3D PCI 4MB 3Dfx
Voodoo Graphics
価格の安いVoodoo搭載の3Dカード。 搭載チップはVoodooであるので、その表現力や
パワーに関しては他社の物とほぼ同じであるが、この製品は若干画質が劣る。
また、安物であるためかオーバークロック耐性が著しく弱い。 中には強い物もあるようだが
全体で見ると弱い物が非常に多いようだ。 この辺りは、値段が安い分、仕方がない点かも
知れない。 私が試した物は、デフォルトクロックである50ですら動かず、47まで落とさないと
安定動作しなかった。 不良でないかと思われるかも知れないが、VoodooGraphicsチップは
47で動けば正常品として判定されるらしいので、中にはこういう困った製品もあるようだ。
クロックを落とす分、若干パフォーマンスは落ちる。
その他は他社のVoodoo搭載カードと同様である。 ただ、パッケージに描いてある
センスの悪いネズミのような絵に、あまり良いイメージを持てない。
おすすめ度 | ★★★★ |
価格 | ★★★★★ |
画質 | ★★★★★ |
2D | − |
3D | ★★★★★★★★ |
ARISTO ART-250Turbo PCI 2MB Macronix
MX86250 Turbo3
かなりマイナーなビデオチップ Turbo3 を搭載。 値段が非常に安く、
4,000円以下で買える数少ないビデオメモリ2MB搭載カードである。
安物カードの宿命で、画質はかなり悪いが、2D描画速度はまずまずで悪くない。
3D機能は無し。 135MHzRAMDAC内蔵だが、何故かリフレッシュレートを水平100Hzに
設定でき、実際に出力もできる。 マイクロソフト配布のDirectXには、チップ汎用の
ドライバが入っていないというマイナーさである。 メーカー配布のドライバはDirectX3対応
なので、DirectX5必須のものでは動作しない可能性が高い。
よって、このカードは用途がかなり限られてくる。 値段は安いが、かなり割り切った
使い方が必要になるだろう。
PCI 2MBのみ。
おすすめ度 | ★★★★ |
価格 | ★★★★★★★★★ |
画質 | ★★ |
2D | ★★★ |
3D | − |
CREATIVE 3DBlaster Voodoo2 PCI
8MB 3Dfx Voodoo2 Graphics
3D専用チップVoodooの第2世代、Voodoo2を搭載。 他社に先んじて、市場に最も早く
登場したVoodoo2カードである。 Voodoo2カードの中ではごく普通の性能だが、
特に変わった癖もない。 その処理能力は、初代Voodooに比べて格段の差があり、
Pentium2以上のCPUでないとカード本来のパワーをフルに発揮できないほどである。
Voodooカードから差し替えるだけでも十分に効果があり、Direct3Dでもその高速性が
はっきりと感じられる。
2D+3D兼用カードに比べると、やはりどうしてもコスト的には不利であるが、その能力は
他の追従を全く許さない、圧倒的なパワーを誇る故に、ユーザーの受けはかなり良い。
また、2枚のVoodoo2カードを挿してパフォーマンスが倍になるというSLIモードがあるのも
Voodoo2カードの大きな特徴である。
登場初期はパッチがないと動かないゲームが多く、またパッチもなかなか公開されないと
いうこともあったが、最近ではもはやスタンダード3Dカードの一つと言っても過言ではなく、
ゲームメーカーは最初から対応をうたうようになった。
PCI 8/12MBのモデルがある。
おすすめ度 | ★★★★★★★★ |
価格 | ★★★ |
画質 | ★★★★★★ |
2D | − |
3D | ★★★★★★★★★★ |
DIAMOND MultiMedia Monster3D PCI
4MB 3Dfx Voodoo Graphics
3D専用カードというジャンルを切り開いた製品。 2D+3Dカードよりもコスト的には
明らかに不利であるが、専用というだけあってかなりのパワーを持っている。
Direct3Dと専用APIであるGlideに対応。 特にGlide対応アプリでは、他では真似の出来ない
表現力を見せる。 既に後継モデルが登場しているが、現在でもその3D表示能力は高く、
最高級カードの一つである。
RAMDACは135MHzの物を外付けになっている。 画質は悪くなく、発色も良い。
他に特徴としては、チップの発熱量が多いことが挙げられる。 出来ることならば、
放熱用のヒートシンク及びファンを取り付けた方が良い。
2Dビデオカードの信号をケーブルで一度Voodooカードに入力し、その信号に3D画面を
足して出力するという方法を採っているため、2Dカードのみの時よりも、若干画質が
落ちることは避けられない。 これは全てのVoodoo搭載カードで同じ事である。
PCI 4MBのモデルのみ。
おすすめ度 | ★★★★★★★ |
価格 | ★★★★ |
画質 | ★★★★★★ |
2D | − |
3D | ★★★★★★★★★ |
I・O DATA GA-968V4/PCI 4MB S3
Vision968
当時、高速チップVision968にビデオメモリ4MBを搭載した製品としては破格の値段で
登場したビデオカード。 その速度はMillenniumとほぼ同等を誇るほどだった。
RAMDACが外付け(IBM製)であるため、画質も良く、高解像度でも綺麗な画面を
表示してくれる。 ビデオチップがWindows95登場以前の設計であるため、DirectDrawは
遅いが、その画質と2D速度は現在でも平均水準を上回っているだろう。
PCI 2/4MBのモデルが存在する。
おすすめ度 | ★★★★★★ |
価格 | ★★★★ |
画質 | ★★★★★★★★ |
2D | ★★★★★★★ |
3D | − |
I・O DATA GA-DR2/PCI 2MB Trident
TGUi9660
I・Oデータの評判が良かった頃の製品。 値段が安めだが、そのドライバの性能によって
他社の上位製品にも劣らない速度を実現していた。 RAMDACは135MHzのものを内蔵で、
画質は特に良くも悪くもないが、高解像度になるとややつらい。
今となっては古い設計のため、DirectDraw等は遅い。 PCIの他に、VL/ISAバス用もある。
PCI/VL/ISA、2/4MBのモデルがある。
おすすめ度 | ★★★★★ |
価格 | ★★★★★★★★ |
画質 | ★★★★ |
2D | ★★★★ |
3D | − |
I・O DATA GA-PII8/PCI 8MB 3DLabs
PERMEDIA2
I・Oデータの評判を著しく落とした製品。 PERMEDIA2自体が特徴のないチップで、
同世代の製品と比べて、特に見るべき点はない。
初期版はハードウェア、ソフトウェア共にバグがひどく、よくもあのレベルで出荷したものだと
あきれさせられた。 現在販売されている物は改善しているが、性能は平凡で、
この製品ならではのメリットはない。 画質は普通で、個人的には発色が白いのが
気になる。 PC-9821ユーザーが好んで購入しているようだが、98用で2D+3Dの
まともなビデオカードが他にないために、売れているようなものである。
はっきり言って、この製品を選ぶよりはATI XPERT@PLAYを選んだ方がはるかに良い。
(但しXPERT@PLAYのPC-98用は存在しない)
発売後、かなり時間が経過しているのに、値段が高いのも大きなマイナス点だ。
RAMDACは230MHz内蔵。 PCI 8MBのモデルしか存在しない。
おすすめ度 | ★★★ |
価格 | ★★★★ |
画質 | ★★★★★ |
2D | ★★★★★★ |
3D | ★★★★★★ |
Matrox MGA Millennium PCI
2MB Matrox MGA-2064W
ビデオカードの定番といえば、これである。 すでに後継モデルが登場してはいるが、
いまだに現役で使用中の人も多いだろう。 現在でこそ、その2D速度はあまり目立たなく
なってきたが、登場時は他のどのカードも寄せ付けない速度を誇っていた。
特にスクロールが速く、現在でもスクロール速度でMillenniumを上回るのは、後継の
Millennium2だけではないだろうか。
RAMDACは外付けで、220MHzの物が搭載されている。 250MHz版のモデルもある。
画質は極めて美しく、最高級レベルである。 発色も非常に良い。
Windows3.1時代に登場した製品のため、DirectDraw等にはハードウェアレベルでは
対応していないが、何故かDirectDrawベースのゲームは意外と速く動く。
3D機能もあるにはあるが、ほとんど無いに等しい。
Matroxのドライバはいずれも作り込みが良く、その中でも特にMilenniumに関しては
歴史があるために、その完成度は極めて高い。 チップ本来の能力を、ほぼ完璧に
出し切れているであろう。
PCI 2MB/4MBのモデルが存在する。 8MBまで増設可能。
おすすめ度 | ★★★★★★★★★ |
価格 | ★★★★ |
画質 | ★★★★★★★★★ |
2D | ★★★★★★★★ |
3D | ★ |
Matrox MGA Millennium2 PCI/AGP
8MB/4MB Matrox MGA-2164W
定番Millenniumの後継モデルで、Mystiqueと同等の3D機能を搭載している。
2D速度はMillenniumにさらに磨きがかかっており、その名に恥じない速度を
見せてくれる。 3Dはおまけ程度で、Voodoo等に比べるとかなり見劣りする。
RAMDACは外付けで250MHzだが、初期の製品には220MHzの物も存在する。
前作同様、画質は非常に綺麗で、発色も良い。 初代Millenniumの良さをそのまま
引き継いで、Mystuqueの3DをプラスしたというのがMillennium2だ。
ただ、初代との体感上での差があまり感じられないため、Millenniumから
乗り換えるのに十分な魅力はない。 ただし、初代にはないAGP版がある。
ベンチマークだと、AGP版の方がほんの少しだが良い結果が出ている。
PCI/AGP、4/8MBの各モデルが存在する。 16MBまで増設可能。
おすすめ度 | ★★★★★★★★ |
価格 | ★★★★ |
画質 | ★★★★★★★★★ |
2D | ★★★★★★★★★ |
3D | ★★★ |
Matrox MGA Mystique PCI 2MB Matrox
MGA-1064SG
初代Millenniumの弱点である3D機能を搭載し、2Dはその廉価版という感じの
ビデオカード。 2D速度はMillenniumには劣るものの、十分に実用レベルである。
3Dは今となってはサポート機能が少なく、速度もかなり遅い部類に入る。
RAMDACは175MHzの物を内蔵しているが、マイナーモデルチェンジで220MHzの物
(Mystique220)もある。 画質は比較的良く、発色も良い。
元々ホビーユース向けの製品なのだろうが、どちらかと言えばビジネス向きの
方が適している。
気のせいか、ややオーバークロック耐性が弱いように感じる。
PCI 2/4MBのモデルがある。
おすすめ度 | ★★★★★ |
価格 | ★★★★★ |
画質 | ★★★★★★★ |
2D | ★★★★★★ |
3D | ★★★ |
Sparkle SP-9750 PCI 4MB Trident
3DImage9750
ローエンドビデオチップメーカーのTrident初の3D対応チップ、9750を搭載。
TV出力が可能で、DVD再生支援機能を持つ。 2Dはまあまあ、3Dもほどほどで
全体的に特に速くも遅くもない。
230MHzのRAMDACを内蔵しており、画質はまあまあで、発色も悪くない。
ただ、3D表示で得られる画面はノイズが乗った物になり、あまりメインマシンでは
使いたくない品質であるが、これはドライバの問題かも知れない。 また、通常の
2D表示でもたまに画面に謎の線が残ったりすることがある。
それでも、値段が安いことを考えれば、十分に納得レベルであるといえると思う。
余談だが、SPARKLEの製品はクレヨンで描いた落書きのようなデザインの箱に
入っているので、どこにあっても非常に目立つ。
PCI 4MBのモデルのみ。
おすすめ度 | ★★★★★★ |
価格 | ★★★★★★★ |
画質 | ★★★★★ |
2D | ★★★★★ |
3D | ★★★★★ |
Sparkle SP-775 PCI 2MB S3
Trio64V2/DX
格安ビデオカードの代表格Trio64V2搭載。 2D専用で、3Dは機能は一切無い。
2D速度は速い方ではないが、実用レベルにはある。 ただし、S3配布の汎用ドライバを
使うため、そのビデオカード用にチューンされたドライバよりもかなりパフォーマンスが
劣る。 これはTrio64Vに限らず、全てのS3チップ+汎用ドライバに言えることである。
世代的に割と新しい製品なので、DirectDrawはまあまあ速い。
RAMDACは135MHz内蔵で画質はほどほどだが、この製品はとにかく発色が白い。
GA-PII8よりもかなり白い。 そのため、本来の色と相当にかけ離れた色で表示されて
しまう。 たまにしか画面を見ないような使い方ならば良いが、常時使用するには
辛いと思う。
PCI 2MBのモデルのみ。
おすすめ度 | ★★★ |
価格 | ★★★★★★★★ |
画質 | ★★ |
2D | ★★★ |
3D | − |